◆ 是正勧告とは?
通常、労働法規に違反している可能性のある事業所に対して、労働基準監督署から電話連絡があり、
労働基準監督官が事業所に来て、労働法規上、違法行為がないかどうかをチェックし、労働基準監督官が法令違反に該当すると判断した場合に、
事業主又は立会人(社会保険労務士等)に違反事項を説明し、是正勧告書が交付されます。
是正勧告書には是正期日が指定されており、是正期日までに是正をする必要があります。、「即時」や「今後」といった表現が使われる場合もあります。
事業主が当該是正に法令違反ではないと考える事項がある場合はあくまでもこれは「勧告」ですので、必ずしも全て是正する必要はありません。
しかし、法令違反が明白であるにもかかわらず、改善せずに無視した場合、検察庁に送検手続きになる可能性もありますので注意が必要です。
是正勧告書や指導票は労働基準監督官の行政指導にすぎず、改善しない事業主に対しても罰則や強制できません。
しかし、送検されると労働基準法違反として罰則が科せられるので是正内容を明らかに、
法令違反である場合は早めに改善しましょう。
◆ 是正勧告の種類
労働基準監督署の調査の種類は、下記の4つです。
1)定期調査
各都道府県の労働局の行政方針に基づいて労働基準監督署が調査対象とする業種や調査内容を定め、定期的な計画に基づいて行う調査のことで、
調査の大半はこの定期調査です。
労働基準監督署が任意に事業場を選び出し、事前に電話等で約1~2週間前に調査の為に訪問する日程を連絡し、現地調査を実施します。
但し、この調査には事前に調査日が連絡されるものと、抜き打ちで行われるものとがあります。
抜き打ちで行われる調査の場合、日頃から労務問題についての対策を行っていない事業所の場合、
是正勧告を受けてしまう可能性がとても高いです。
2)申告調査 最近、急増!!早めの対策を。
その事業所の労働者が労働基準監督署に法令違反の申告した場合に発生する調査です。
労働者からの申告を元に集中的に法令違反と思われる点を調査され、場合によっては労働基準監督署に出頭を求められるケースもあります。
最近ではこの申告による調査が増えてきており、
サービス残業・長時間労働・不当解雇についての申立が多いようです。
3)災害時調査
一定規模以上の労働災害が発生した場合、同業種の事業所に対して緊急的に実態を確認し原因を追究するために行う調査です。災害時監督が行われ、法令違反になる場合には労働基準監督官から指導票や是正勧告書が交付されます。
4)再監督
過去に是正勧告を受けたけれども、指定期日までにその指摘項目を改善されていない場合などに行われます。
Q.是正勧告を受けた場合、どのように対応したらいいの?
A.
指摘を受けた事項に対して誠実に対応し、解らないことはその場で質問しておいて下さい。相手は労働法規の専門家ですので下手に争わず、説明をしっかり受けて下さい。
Q.調査日って変えられる?
A.
抜き打ち調査はもちろん無理ですが、通常は事前に労働基準監督署から電話又は文書で連絡があり、立ち入り調査や出頭通知があります。
業務上の都合などで日程変更が必要な場合は調整が可能な場合が多いです。
Q.調査までにしておいた方がいい事って?
A.
事前に通知がある場合は調査日がわかっていますので、それまでに準備できるものはしておきましょう。
1)求められた書類の準備をしましょう。名称が違っても労働時間管理が解るものであれば、事業所独自のものでもOKです。
2)賃金台帳等で労働時間等が抜けていたり不備がある場合は調査までに正しく整えておきましょう。改ざんや修正は絶対にやめておきましょう。
3)協定などの締結と届け出などすぐ指摘されそうなものは処理しておきましょう。
少し費用はかかりますが企業将来の為、社会保険労務士にご相談頂いた方が安心です。
Q.是正勧告書ではなく指導票をもらったのですが…
A.
法律に明確に違反してはいないが、厚生労働省などが公表しているガイドラインなどに触れている場合や労務管理で改善した方がいい場合、
法令違反にならない為に未然に防止した方がよいと判断した場合などに、是正勧告書に代わって交付する書類が「指導票」と言われるものです。是正勧告書よりやさしいとは言え、放置していることは問題ですので、速やかに期限までに改善しておきましょう。
Q.労働基準監督官ってどんな人?
A.
厚生労働省の各部局等・都道府県労働局・労働基準監督署に配置されており、普段は労働基準関係法令に係る行政事務を行っています。
労働基準関係の法令違反事件が発生すると、特別司法警察職員(司法警察員)として犯罪捜査を行う権限があります。
労働基準法第101条・労働安全衛生法第91条などにより、事業場に立ち入ったり、関係者への質問や
帳簿や書類その他の物件の検査などを行ったりすることができます。
事業場に立ち入るときは、特に通知する必要はなく、また、犯罪捜査が主体ではないことから、捜査令状の必要も無ありません。
Q.臨検って何?
A.
労働法令を厳守させる事が目的で事業所への立ち入り調査の事を「臨検」といいます。 賃金台帳や出勤簿とともに就業規則の提示は必ず求められ、
その内容や周知方法なども調査の対象となります。
Q.抜き打ち調査はいつ来る?
A.
事前に通知がある場合は営業時間内に来ますが、労働者からの申告による抜き打ち調査は夜遅くに来る場合もあります。
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